2009年6月 5日 (金)

Rodagon 80mm Shift

ながらく更新できなくてすみませんでした。けれど工作と撮影はぼちぼちとやっています。

自作レンズの新作です。先の135mmに続いてローデンストックの引伸しレンズ、ロダゴンの80mmです。
090605

090605_1
ライツの複写アタッチメントのヘリコイドをハッセルマウントに加工して、中にロダゴンを組み込んでいます。

組み込んだロダゴンは新旧の80mmです。
090605_2_2
本当は、ずっとアポ・ロダゴン80mmを探していたのですが、中古がみつかることはありませんでした。右の旧型は総金属で、レンズ構成は似ていますが、コーティングは現行のロダゴンにみられる濃いマルチコートにくらべてマゼンタ系の薄いコーティングです。現行品と思われるロダゴンは新品同様のものを入手できました。

さて、ロダゴンの実力はどんなものでしょうか。印象レベルの解説しかできませんが、ハッセルのプラナーとすこし比較してみましょう。
090605_3
これは、先日プラナーで撮影したHDR作品です。もちろん左右分割で4000万画素相当、段階露光したレイヤーのコンポジットですが、さらに二層のピント送りを入れたのでレイヤーは左右で30枚ほどにもなりました。

比較は、青枠で囲った部分の300%比較のみですが、3本の中心部付近の傾向は見てとれると思います。左からプラナー、旧ロダゴン、現行ロダゴン(と思われる)で、ともに絞り8、露光時間20秒のデータをCapture One現像しました。なぜか、現行ロダゴンだけ明るい露出傾向ですが原因不明です。撮影日が離れているのだけが原因ではないようです。
090605_4

090605_5
プラナーはさすが解像力、コントラストともに優秀ですね。旧ロダゴンはともに劣りますが、古いレンズとは思えない実力です。現行ロダゴンは、予想通りのすばらしい実力です。引伸しレンズなのに撮影用レンズであるプラナーとくらべて遜色ない表現力です。解像力は見た目プラナーと同等か、見方によってはそれ以上かもしれません。

周辺についての印象は、広い良像面を有するプラナーにくらべて、周辺に向かって徐々に落ちるロダゴンは像面の平坦性が良好で扱いやすいです。プラナーは、私の個体だけかもしれませんが時としてピントが悪いことがあります。一度まともなプラナーを試してみたいですね。

一段明るいプラナーはその表現力の多彩さが魅力で、ロダゴンの魅力は端正さでしょうか。結局優劣は付けられません。ロダゴンにはアポ補正された上位が存在しているので、機会があれば試してみたいですね。

2009年4月15日 (水)

Zoerkパノラマシフトアダプター

重宝しているドイツ製のシフトアダプターですが、英語表記のZoerkで検索するとwebがみつかりました。
しかしこのアダプター、いくつかの問題点があって使いにくいものでした。私のはハッセルレンズをニコンマウントに変換するアダプターですが、まずハッセルマウントが異常に固くてレンズが入りにくい、レボルビング機構にガタがでる、レンズのセンターが真上に来ないので角フードだと斜めになってしまう、ストロボ内蔵ボディには使えない、インフがあわない、などなど、いったんは使い物にならないと判断してお蔵入りしていたものでした。

片シフト20mmを両方向11mmに変更して余分をカット、ガタの原因のレボルビング機能は半固定とし、正位置をリバースさせ、マウントの調整など、いろいろと改良の結果、初代キスデジにも装着可能となりました。
090415_1

090415_2

一番苦労した部分。
090415_3
レボルビング固定したまま正位置でEOS1DⅢ系にマウントするために、ぎりぎりまでカットしてABS板で傷防止のスペーサーを加えてあります。

プラナーに逆被せできる丸フードも製作しました。テープを巻き付けて太らせたレンズキャップを装着すると落下しません。
090515_4

090515_5
ニコンのHB-22というフードとハッセルの60径フードから取り外したリングを合体しています。
さて、レンズ触ってばかりいないで撮影に出かけなければ。

2009年3月31日 (火)

水没プラナー

以前紹介したドイツ製のシフトアダプターを改良してみました。組み合わせたのはハッセルのCFプラナー2.8/80mmです。外観は極上品でしたが、シャッター不動のためジャンク価格でした。レンズの状態は少しバル切れの兆候がありますが、曇りもありません。
090330_1
そこで、自分で修理しようと持ち帰ったのですが、分解しようとしてもカニ目の工具が歪んでしまうくらい固くて分解できません。そこで固着した部分にシンナーをたっぷり染ませて一晩置いておいて、翌朝にはなんとか分解できました。そしてレンズシャッターユニットを取り出し、リグロインに漬込んでおいたのですが、まったく動きそうにありません。

とりあえず分解してみると、シャッター幕は見事に錆びて溶けていました。残念。
090330_11_3
絞りのほうはなんとか生きていましたので、普通絞りとして復活させることができました。

まあ、用途としてはシフトアダプターに装着することでしたから、問題はありません。アダプターのロック部分のアップです。V型のレバーで巧妙に固定・解放されます。
090330_2

元は片方向の20mmシフトでしたが、使いやすくするために両方向に11mmずつのシフトとしました。三脚座や余分な部分は切り落とし、ロック部分の位置を下げてあります。
センター位置。
090330_3

下方に11mm。
090330_4

上方に11mm。
090330_5

早速、試写してみました。例によって左右のタイリング撮影です。HDRではなく、DPP現像した画像をフォトショップつなぎ合わせ、レベル調整だけしてあります。

門真南の歩道橋です。f8、10秒。
090331_1

部分アップ。
090331_2

同じく歩道橋。f8、30秒。
090331_3

部分アップ。うーん、すごい質感描写です。
090331_4

道路工事現場の配電盤。たしかf4、15秒。
090331_5

部分アップ。配電盤内部のメーターに2146と打たれた番号が読めます。
090331_6

画面からは伝わらないかもしれませんが、いままでデジタルカメラに使ったレンズの中では、最高の描写を示しています。
国産レンズなどとくらべて解放付近のコントラストがやや劣ります。拡大してみると、100%くらいまではコントラストの高いレンズのほうがシャープに見えることがありますが、200%、300%とあげていくと、並の解像力のレンズはボケていきます。一見甘く見えたプラナーのほうは、ちゃんと解像しています。解放付近でもハロっぽさのなかにもちゃんとピントの芯があるという感じです。絞り込んでも良いのは言うまでもありませんが、f11以上は回折限界でピントが悪くなります。諧調表現も、レンジが広くなめらかに感じられます。HDRにする必要が感じられませんでした。

とにかく、ピントのあった部分の立ち上がり方はぞくっとする感じです。空気感や質感も際立っており、なぜ、こんなに違うのか不思議なくらいです。フィルム時代にはこの事実に気がつきませんでした。

2009年3月 3日 (火)

TS-Eシフト部の調整

キヤノンTS-Eレンズのシフト部分が、重いコンポノン150mmを取り付けてガタが顕著になってしまいました。分解洗浄してグリスアップしても直りませんので、調整しました。

こういうスライダー形式の可動部にはカミソリとよばれるパーツがあり、通常はその調整によって適正なクリアランスを確保しています。しかし、TS-Eレンズではこのパーツが固着材とネジで固定されており、動くようにはできていません。そこで、ガタがなくなるよう内側にプレッシャー利くようにネジを取り付けました。このネジは本来はホローセットにすべきですが、手元にありませんのでM1.7ネジで代用です。
090303
また、カミソリの接触面もテフロン樹脂にすべきですが、最初からそういうメインテナンス性は考えられていないようです。

2009年3月 2日 (月)

こんどは150mmシフト&作例

コンポノンの150mmが格安で手に入ったのでシフトヘリコイドにくっつけてみました。
090302
これは4×5の引伸しレンズですが、写りの方はどうでしょうか。さっそく中山製鋼所に試写にでかけてきました。絞りはF11のHDR撮影です。
090302_1
カメラの背面液晶での確認では、どうもピントが良くない印象でしたが、RAW現像してみると伸ばしレンズらしい諧調に優れた画像が現れました。シャープネスも必要十分です。ただし、周辺はケラレがでており、長い焦点距離はこれくらいが限界のようです。

部分アップです。
090302_2

090302_4

090302_3

結構重いレンズで、シフト部に負担がかかっているようなので、また別のヘリコイドに組み込んでみようと思います。

2009年1月31日 (土)

Componon-S 100mm Shift 作例3

また、投稿をさぼっていますが、ちゃんと写真は撮っています。
そこでまたコンポノンの作例です。コンポノンは回転ヘリコイドのうえに普通絞りという、戦前のライカレンズみたいな作りのため、使いでの悪さに困っていましたが、改造を加えて直進ヘリコイドにしました。
090130
絞りレバーの右横に丸棒で作ったガイドがみえますが、これが内側のヘリコイドを貫いています。

作例は、絞り11で段階露光した約20枚のレイヤーで作りました。右端の橋脚部分はピントの送りカットを重ねています。
090130_1

部分アップをみてみましょう。
090130_2_2

090130_3_5

090130_4

090130_5
解像感、色乗りは良好で、純正レンズに引けを取りません。ボケは二重線がでるのでダメですが、これが数千円で買った引伸しレンズだと考えると、高価なレンズを買うのはアホらしくなってきます。

2009年1月 2日 (金)

Componon-S 100mm Shift 作例2ほか

あけまして、おめでとうございます。
コンポノン作例、もう一枚です。
090101_1
撮影は順調ですが、寒くて外出がおっくうな夜はパソコン作業です。実は別の撮影ポイントに移りつつあるのですが、山間部なので寒さは半端ではありません。それとほとんど明かりのないところなので、足場の悪さとあいまって危険度はかなり高いです。

どういうところかというと、こういうところです。撮影レンズはコンポノンではなく、PC MICRO NIKKOR 85mm 1:2.8Dです。TS-Eとくらべるとふたまわり近く大きく重いのでロケには躊躇していましたが、使ってみました。
090101_2
やはりPCマイクロはいいレンズでしたね。こういう夜の逆光場面だと、あまり露光をかけてもハレッぽくなるばかりなのですが、抜けが良いのはさすがですね。当然、解像力も高いですが、ナノクリスタルコートの入った新型だと、もっと結果はよさそうです。これからはメインレンズになりそうです。

2008年12月25日 (木)

Componon-S 100mm Shift 作例

コンポノンシフトの作例。絞りf11。
081224_1
描写は、予想通りの線の細かい、好ましい描写でした。コーティングが薄いので心配でしたが、意外に色のりは良いようです。
しかし、やはり解放f5.6で夜景というのはちょっと辛い。わりと明るい状況に見えるこの写真でさえ、ライブビューによるピント合わせはできませんでした。もちろんファインダーも暗くて正確なピント合わせは私には不可能でした。もちろんf2.8であってもやりづらい状況ではありましたが、普通絞りの煩雑さも含めて、常用とするのはやや無理があるようです。

2008年12月18日 (木)

Componon-S 100mm Shift

こういうのも。
081218_2
とりあえず、仮組の様子です。

081218_1
ヘリコイドはペンタックス645用を旋盤でくりぬいて加工しました。ダブルヘリコイドは外側のシングルだけを使い、内側は固定してあります。コンポノンは0番シャッターと同じネジが切られており、フランジの製作には苦労しました。

100mmの場合、シフト軸とレンズの主点が近いのでティルトが使いやすそうです。週末の撮影には間に合いそうです。

追記。

できました。机の上の妙なレンズは何?というつっこみはナシです。
081218_3

小ぶりのフードをつけてみました。また、すこし旋盤加工すればTS-E90mm純正フードがつけられます。
081218_4
困ったことに、レンズが奥まりすぎてしまい、絞りリングがうまく回せなくなってしまいました。そこで、積層ABS板で絞りレバーをつくってリングにネジ止めしてあります。シングルヘリコイドなので、共回りしないよう、ヘリコイドには固い目のグリスを入れてあります。

絞りレバー。
081218_5
はやく試写してみたいです。風邪さえ治れば。

2008年12月16日 (火)

Rodagon 135mm ShiftⅡ作例

ロダゴンシフトの作例です。
081215_1
伸ばしレンズらしく諧調がよく出ていると思います。最初、思い通りのイメージが得られなかったので、何度も撮り直しました。やはりピントが浅いのでティルト(スイング)を使わないとシャープな印象が得られないようです。この場所は、ほんとは真っ暗なのでピント合わせは至難の技です。しかし、この日はバイクで現場に向かっていたので、ヘッドライトを向けてピント合わせをすることができました。

レイヤーをみてみましょう。
081215_2
輝度差のすくない状況だったので、HDRのために段階を切ったのは「背景」になっている暗いイメージだけで、奥の交差点付近の「飛び」を抑えるためです。「レイヤー1」はティルトなしの一枚ですが、「レイヤー2」は左に3°スイング、「レイヤー3」は右に3°スイングで橋脚にピントをおくっています。ほんとは天井と地面に対してティルトで対処したかったのですが、寒さに負けてしまいました。

来週は暖かいといいのですが。

2008年12月11日 (木)

Rodagon 135mm ShiftⅡ

ロダゴンシフトの改良型です。前作があまりに使いにくかったので再チャレンジしました。
081210_3
キヤノンTS-E90mmのレンズエレメントを引っこ抜いて、先端をLマウントにしてロダゴンを装着してあります。TS-Eは塗装を剥がすと渋い表面仕上げが現れました。まるでワンオフのカスタム品みたいです。

マウント部分は、引伸機か何かのフランジを旋盤加工してありますが、このパーツ以外はTS-Eのものを加工してそのまま使っています。
081210_2

簡単にばらせるので、いろんなレンズが試せそうです。
081210_1
本当は製作途中をお見せしたかったのですが、それこそ夢中で仕上げましたので写真に撮る暇はありませんでした。改造の難度としては、レンズの分解・組立のできる方なら、簡単だと思います。必要なのはレンズを壊す度胸ですが、運良くジャンク品が手に入ったので、オーバーホールしつつ改造しました。

135mmになると光路が長くなるので内面反射が気になります。対策を施しても、蛇腹と違って懐が狭いヘリコイドは限界があります。気になる作例ですが、週末に撮りにいってきます。

2008年12月 6日 (土)

撮影中

ひさしぶりの投稿です。引っ越し等いろいろあって、気力が失せていました。

さて、現在進行中の撮影は第二京阪道建設現場です。
081206_1

081206_2_2

081206_4_2

現場はわりとオープンですので、撮影はしやすいです。

撮影機材はタイリングのスライダーに改良を加えてほぼ完成されたものになりました。
081206_3_3
重いことをのぞけば、非常に使いやすいです。三脚はカーボンではぐらつくので、古いハスキーを調達してきました。

さて、今晩も撮影に行ってきます。


«大阪写真月間2008