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2007年8月14日 (火)

旧エルマー(1)

マニアックな話しなので興味のない人は飛ばしてねー。

先日、梅田方面の中古カメラ店をパトロールしていると、いつもの店で2本の古びたニッケルエルマーをみつけた。値札をみると、相場よりは安かった。しかし、値札にはジャンクとかかれており、外観程度は悪かった。ジャンク品となると、こんな値段ではだれもショーケースから出してみせてくれといわないだろう。しかし、とりあえず2本のエルマーをみせてもらった。

さいわいレンズに傷はなく、いくつかの点をチェックして、その割高なジャンク品のうち1本を買って帰った。買ったのにはもちろん訳がある。

1925年に発売された最初のライカであるLEICA A型(Ⅰ型)は、当初はエルマックス(Elmax)50mm f3.5レンズがパーマネントに取り付けられていた。これは試作機の段階で取り付けられていたライツ・アナスチグマット(Leitz,Anas-tigmat)50mm f3.5のネーミングを変更したものであった。
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しかし、3群5枚で最後部レンズが3枚張り合わせという高コストのレンズは量産に適さなかった。そこで、当時ゲルツ社で開発された高屈折新種ガラスを用いて、ほぼ同じ性能を保ったまま3群4枚に改めたレンズが、現在もその名が引き継がれるエルマー(Elmar)50mm f3.5である。

ところが、1926年にゲルツ社がツアイス・イコンの傘下となり、ガラスの供給をうけることができなくなってしまった。そこでライツはガラスの供給元をイエナのショット社に変更し、エルマーレンズを量産することができた。

こうしてライカA型は、初期の段階でおなじ50mm f3.5ながら3タイプのレンズを持つこととなった。
一本目は、おそらく当時最高の光学性能を有していたと思われるライツ・アナスチグマット/エルマックス。アナスチグマットは、A型にも装着されていたことが確認されており、生産数は150台ほど、エルマックス付きが1500台ほどといわれている。超レアもので、エルマックス付きが一時期200万円ほどで売られているのを見たことがある。

二本目は、ゲルツの新種ガラスを用いたエルマー、旧エルマーと俗称される。旧エルマー付きは多くても15000台ほどといわれている。これもレアものだが、比較的数が多いので、今なら20万円もあれば買えるだろう。

三本目は、ショットのガラスに改め、量産されたエルマー。区別のため新エルマーと俗称される。

ここからまた、話しがややこしくなるが、ライツはその後レンズ交換式の新型ライカに発展するに際し、旧型ライカを新型に改装するサービスを実施した。もちろん有料だが、レンズ交換のできないA型は、かなりの数がC型やⅢ型などのレンズ交換式に改装されている。

やがて、A型ボディに固着されていた初期のエルマーレンズが、普通のエルマー50mm f3.5交換レンズとして中古市場に流通するようになっていった。巷にある大量のエルマー50mm f3.5のなかに、お宝レンズがまぎれ込むことになった。

エルマー50mm f3.5
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まぎれもなく、ゲルツガラス仕様の旧エルマーでした。5年ほど前なら20万くらいすることもあったそうですが、いまはどうなんでしょう。

2に続く。

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