これからシフトアダプターの主要な部分を加工していきます。
このシフトアダプターの目的は、簡単にいうと、フルサイズセンサーで4枚合わせのタイリングを可能にしたかったからです。マミヤシフトの40mmのシフト量(両方向に20mm)と10度刻みのレボルビング機能を生かせばなんとか実現可能です。しかし、そのためには正確に対角線の角度にまわしてシフトさせないとダメで、10度刻みでは間にあわないうえに操作が煩雑になりそうです。そこで、テクニカルカメラのような縦軸と横軸の動きをさせたいと考えました。
シフト(スライド)する部分です。

左がオスのアリ溝で、遮光のテレンプが貼付けられています。右がメスのアリ溝で、もとはこちらがマウント側です。これを2セット用意して、前板、中間板、後板の三つのパーツを作っていきます。
私のフライス盤は、大判カメラで有名なトヨが製作販売していたML-360という旋盤のミーリングアタッチメントを外して、専用のXYテーブルを取り付けた卓上用のものです。現在、トヨはサカイマシンツールという社名になっていますが、生産工場は韓国に移っています。
こういう個人工作用の小型機械は、30年くらい前は高価なヨーロッパ製のほかは、手の届く範囲では日本製のエミニか台湾製のものくらいしかありませんでした。トヨやプロクソンが登場するのはもっと後です。私が高校の入学祝いに買ってもらったのはエミニの旋盤で、当時の原付バイクより高かった記憶があります。エミニは手元にありませんが、懐かしくなってネット検索してみるといまも売られていました。
現在は、台湾や中国大陸製の小型機械が信じられないくらい安価で売られています。日本製の同じ大きさの機械の1/3から1/5くらいの価格でしょうか。その内容は安かろう悪かろうの典型ですが、カメラのレンズ一本買う値段で旋盤もフライス盤も揃ってしまうのは魅力です。トヨも海外ではかなり安く売られているようです。
おすすめは、できることなら工場から放出された中古の汎用機械を専門業者から買うことです。国産の小型機械を買う値段で汎用機械が買えてしまいます。ただし、自宅に数トンの重さに耐えるコンクリートの床と三相電源が必要です。
マンションやアパートでは、自力で運べて家庭用電源で動かせる小型機械しか選択肢はありませんから、当たり外れのある中国製を選ぶか、メンテの楽な日本製や高級なヨーロッパ製を選ぶか悩みどころです。また、中国製のものなどをベースに日本で整備された小型機械を扱うメーカーもありますから予算次第というところです。
フライス盤は、プラ段で囲って畳の上で使っています。当然、こんな使い方はよろしくありませんが、作業が終わったら押し入れに収納できます。



フライス盤にセットして前板を目的の厚みまで削っています。筆先で切削油を塗りながら、少しずつ削っています。こういうミニマシーンは非力で剛性も低いため、無理はできません。鉄工所でみかける汎用フライス盤に比べれば雲泥の差ですが、モノは使いようで2/100mmくらいの精度はだせます。
これはフライカッターで内側に段差を付けています。

前板が削り上がった状態です。

ツール痕が残っていますが精度は問題ありません。ここにハッセルのマウントが取り付きます。
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